SNSで見た「口コミ副業」に登録した22歳女性💸広告の言葉を信じて支払った10万円は戻ったのか?

詐欺被害の体験談

今回は「誰でも稼げる副業」という広告に惹かれて登録料10万円を支払ったものの、実際には報酬も返金も得られず、副業詐欺の被害に遭ってしまった小林恵里さん(仮名・当時22歳)の体験をご紹介します。

SNSでのDM、LINE登録、そして「口コミで広げれば稼げます」という甘い誘い。

はじめは不安よりも”やってみたい”という期待の方が大きかったそうです。

しかし、LINEグループに参加した後、思っていたような成果は一向に出ず、返信も次第に減っていき、最終的には誰にも相談できず一人で悩み続ける日々が続きました。

今回はその時の心境や流れ、そしてどうやって返金までたどり着いたか──小林さんのリアルな声を伺いました。

DMから始まった”ラクして稼げる”という罠

──最初にその副業に出会ったきっかけを教えてください。

小林さん:「インスタで”副業アカウント”からDMが届いたんです。”本業のスキマ時間で月収+10万円目指せます”みたいな内容でした。正直ちょっと怪しいとは思いましたけど、その頃バイトも減って収入も不安だったし、”なんか今のままじゃダメかも”って焦ってたんです。”紹介だけで稼げるってどういう仕組みなんですか?”って聞いたら、”LINEに登録してくれれば説明します”って。で、なんとなくそのまま登録してしまいました。」

──DMが来た時、最初にどんな印象を受けましたか?

小林さん:「プロフィールがきれいに作り込まれてたんですよ。フォロワーも数千人いて、投稿には”月収100万達成しました!”みたいな内容が並んでて。今振り返ると、あのアカウント自体がおそらく詐欺のために作られたものだったと思うんですけど、当時は”こういうリア充な人が副業してるんだ”くらいにしか思いませんでした。」

──「怪しい」と思いながらもLINEに登録してしまったのはなぜでしょう?

小林さん:「”LINEに登録するだけ”という行動のハードルが低かったからだと思います。お金を払う話がまだ出ていない段階だったので、”まあ聞くだけなら”って感覚でした。でも今思うと、そのLINE登録の瞬間から業者の管理下に入っていたわけで、情報を集めて段階的に引き込むための入口になっていたんですよね。」

InstagramのDMを使った副業勧誘は、2020年代以降に急増している詐欺の入口手法です。フォロワー数の多い演出、成功報告風の投稿、プロフィールに載った”実績”はすべて、ターゲットに「この人は本物だ」と思わせるための演出です。特にアルバイト収入が不安定な20代前半は、「今よりも少し収入を増やしたい」という現実的な動機があるため、「スキマ時間で月10万円」という言葉が刺さりやすい層といえます。

登録料10万円を支払ったあと、待っていたのは”実績ゼロ”の現実

──LINEに登録した後はどんな流れでしたか?

小林さん:「登録した瞬間に自動返信が来て、”おめでとうございます、あなたは先行メンバーです”って。ちょっとテンションが上がってしまいました。そのあと”Zoomで簡単なオリエンテーションに参加してください”って案内が来て、説明を聞いたんです。内容としては”口コミでこの副業を広げてくれるだけで報酬が発生する。あなたも紹介されてここに来てるんですよね?”って言われて、”ああ、紹介ビジネスなんだ”って納得した感じでした。」

──登録料の話が出てきたのはいつでしたか?

小林さん:「Zoomの終盤で”本来20万円の登録料ですが、先行モニターの方は半額の10万円でご案内してます”って言われたんです。”迷ってる間に他の人に枠を取られるかも”って言われて、勢いで”やります”って答えてしまいました。支払いは指定の口座に振り込むだけで、”振込確認後、LINEグループとマニュアルをお送りします”とのことでした。」

──振り込んだ後に届いた内容はどうでしたか?

小林さん:「”成功のための行動シート”みたいなPDFと、LINEの招待リンクが届きました。でも中身を見たら、”SNSでこの副業を紹介して、紹介された人が登録すれば1万円入ります”というだけでした。”自分が紹介できなかったらどうなるの?”って思ったんですが、”紹介が発生すれば全額回収できますよ”って答えが返ってきただけで、それ以上の説明は何もありませんでした。」

「本来20万円のところを先行モニター限定で10万円」という価格設定は、副業詐欺で頻繁に使われる割引演出の典型です。本来の価格が実在するかどうかに関係なく、「半額で得をしている」という感覚を生み出し、「今すぐ申し込まないと損」という心理を作り出します。また「先行メンバー」「モニター」という言葉には、自分が特別な立場に選ばれたという承認欲求を刺激する効果があります。これらの言葉が組み合わさると、冷静な判断よりも感情的な決断が優先されやすい状態が生まれます。

LINEグループの”盛り上がり”はすべて仕掛けだった?

──LINEグループに入ってみてどうでしたか?

小林さん:「最初はすごく活気があって、”◯◯さんが登録されました🎉”とか”今月10人紹介できました!”って投稿が毎日のように流れてきてたんです。でも今思えばそれ全部、運営側の人だったんじゃないかなって。みんな同じアイコン、同じ言い回しで、”こんなに簡単に?”って逆に不自然でした。」

──そのグループの”盛り上がり”を見て、当初はどう感じていましたか?

小林さん:「”自分も早くやらなきゃ”って焦りを感じました。他の人が結果を出しているように見えると、”自分だけ遅れてる”という気持ちになるんですよね。今振り返ると、その焦りこそが運営側の狙いだったと思います。”みんな稼げてる”という演出が、自分を急かす材料として使われてたんです。」

──実際に紹介活動はできましたか?

小林さん:「いや、誰にも紹介できませんでした。正直、友達や知人に”こういう副業あるよ”って送るのってとてもハードルが高いんですよ。しかも自分がまだ1円も稼げていないのに”稼げる”とは言えないじゃないですか。何度も文章を作っては削除して、結局一人も誘えませんでした。そして”誰も紹介できない自分が悪いのかも”という罪悪感が出てきて、どんどん苦しくなっていきました。」

このLINEグループで演出された「盛り上がり」は、マーケティング心理学で「社会的証明」と呼ばれる手法の悪用です。他者が行動しているように見せることで、自分も同じ行動を取ることへの心理的ハードルを下げる効果があります。グループ内で「成果報告」が頻繁に投稿されると、まだ稼げていないメンバーは「遅れている自分」という感覚に追い込まれ、より必死に紹介活動をしようとします。実際には業者側がサクラのアカウントを使って投稿しているケースが多く、グループ全体が「稼げる副業に見せるための装置」として機能しています。

疑い始めたころ、運営との連絡は途絶えはじめた

──その後、どうなっていったんですか?

小林さん:「2週間くらいしたあたりから、LINEでの返信が遅くなってきて、”◯◯さんからの返信は現在混み合っております”っていう自動メッセージが来るようになって。問い合わせしても”確認してご連絡します”の繰り返しで、結局何も解決しないまま音信不通になりました。」

──その時の気持ちはどうでしたか?

小林さん:「”あ、やられたかも”って思いましたね。でも誰にも相談できなかったんです。”自分がバカだった”っていう気持ちが強くて。親にも友達にも言えなくて、夜中に”副業詐欺 返金できる?”とか”口コミビジネス 詐欺 実例”とかで検索して、似たような被害者の投稿を読み漁ってました。」

──誰にも言えなかった理由をもう少し教えてもらえますか?

小林さん:「”怪しいと思いながらも10万円払ってしまった”という事実が恥ずかしくて。親に言ったら怒られると思ったし、友達に言ったらバカにされそうで。そうやって一人で抱え込んでいるうちに、どんどん時間が経ってしまいました。今思うと、誰かに話せていれば早く動けたはずで、その”言えない”という気持ちが一番詐欺師に都合がよかったんだなって思います。」

「誰にも言えない」という孤立状態は、副業詐欺の被害において最も回収を難しくする要因の一つです。時間が経過するほど業者は資金を移動させ、証拠も薄れ、交渉の余地が狭まっていきます。詐欺師の側は「被害者が恥ずかしくて動けないでいる」という心理を熟知しており、むしろその状態を維持することで逃げ切ろうとします。「誰かに話す」という行動そのものが、返金に向けた最初の動き出しになります。

弁護士相談が転機に|「これは違法の可能性があります」と言われて涙が出た

──法律相談にはどうやってたどり着いたんですか?

小林さん:「ある日ネットで見つけた法律事務所の”副業詐欺相談フォーム”にメッセージを送りました。”こんなことで相談していいのかな…”って不安でしたけど、すぐに電話が来て、”その契約内容なら特定商取引法違反にあたるかもしれません”って言われて、涙が止まらなくなりました。”証拠があるなら内容証明で返金交渉できますよ”って話になって、LINEのやりとり・振込明細・PDF資料を全部送りました。」

──「特定商取引法違反」という言葉を聞いてどう感じましたか?

小林さん:「”自分がバカだったから騙された”という感覚でずっといたので、”法律的に問題がある”と言われたとき、初めて”これは私のせいじゃない”と思えたんです。それまで”10万円、授業料だと思うしかないか”って諦めかけてたんですが、その言葉一つで気持ちが大きく変わりました。あの電話がなければ、泣き寝入りしていたと思います。」

──どんな証拠が返金交渉で有効でしたか?

小林さん:「LINEのやりとりのスクリーンショット、振込明細、届いたPDFの資料、それからZoom説明会の前後に業者から送られてきたメッセージの記録です。弁護士さんに”契約書がない状態でも、これだけ揃っていれば対応できます”と言われて。特に”紹介が発生すれば全額回収できますよ”という業者の言葉のスクリーンショットが、誇大な収益見込みを示す証拠として機能したようでした。」

特定商取引法は、訪問販売・通信販売・連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)などを規制する法律です。小林さんのケースにおいて問題となりうるのは、「紹介するだけで報酬が発生する」という連鎖販売取引の可能性と、「全額回収できる」という誇大な収益見込みの提示です。特定商取引法では連鎖販売取引に対して、20日間のクーリングオフが認められています。さらに「虚偽・誇大な広告」や「不実の告知」があった場合には、契約の取消しと返金請求の根拠になります。証拠として特に有効なのは、業者が具体的な収益額を約束するような発言をLINEや書面で行っていた記録です。

返金交渉は一通の通知から動き出した

──業者側の反応はどうでしたか?

小林さん:「最初は無視されてたんですけど、弁護士名義で内容証明が届いた2日後、”返金についてご相談させてください”って連絡がありました。その後、”契約時の説明が不十分だったかもしれない”っていう曖昧な謝罪とともに、”半額なら返せます”って提案がきて。本当は全額返してほしかったですけど、時間もかけたくなくて和解にしました。5万円だけでも戻ってきてよかったです。」

──半額という結果についてどう向き合いましたか?

小林さん:「悔しかったです。でも弁護士さんに”全額を求めて裁判に持ち込む選択肢もあるが、証拠の強度と費用対効果を考えると、今の提示で和解するのが現実的”と説明していただいて。時間をかけて戦い続けるよりも、早く終わらせて前に進みたいという気持ちが強かったので、示談という選択をしました。」

──今振り返って、被害を最小限に抑えるために何が大切だったと思いますか?

小林さん:「LINEのやりとりを消さずに残していたことと、振込明細を手元に持っていたことです。音信不通になった後、”もう無駄かな”と思って全部削除しようとしたことがあったんですけど、思いとどまったんです。あのとき消していたら、弁護士さんも動けなかったかもしれないと思うと、ぞっとします。騙されたかもと思った瞬間、まず証拠を残すことだけを考えてほしいです。」

内容証明が2日後に業者を動かした背景には、「法的な追及が現実化した」という業者側の判断があります。内容証明郵便は、「誰が・誰に・どんな内容を・いつ送ったか」を郵便局が公的に証明するものであり、裁判になった際の証拠能力を持ちます。業者側にとっては、内容証明が届いた時点で「被害者が本格的に動き出した」という強いシグナルになります。半額での和解という結果は全額返金に届かなかったものの、「動いた」ことで5万円が戻ったという事実は、泣き寝入りとの差を明確に示しています。

まとめ|”私だけじゃなかった”と知れたことが一番の救い

副業詐欺に遭うと、「全部自分が悪かった」と責めてしまう人がとても多いです。

でも、小林さんのように声を上げて動いた人だけが、前に進むきっかけを掴んでいます。

小林さんはこう語ってくれました。

「自分がバカだったってずっと思ってた。でも法律事務所の人に”あなたは騙された側です”って言われて、救われました。」

この言葉が持つ意味は大きいです。被害者が「自分が悪かった」と思い込んでいる間、詐欺師は安全でいられます。

「騙された側」として正しく被害を認識した瞬間に、初めて行動できる状態になります。

被害に気づいた後にやるべきことは、次の3点に集約されます。

①LINEのやりとり・振込明細・業者から届いた資料を即座に保全する②感情的に業者へ直接連絡することは避ける③早めに弁護士の無料相談を活用する

どれか一つでも欠けると、返金の可能性が下がります。

「簡単に稼げる話」が本当に存在するのか、そう立ち止まって考えるきっかけとして、小林さんの体験が誰かの助けになれば幸いです。

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